世界の石油生産量の推移をグラフ化するでは全世界の地域ごとの石油生産量の推移を概観した.今回は全世界の石油消費量の推移をグラフ化する.
世界
世界全体における石油消費量は増加傾向にある.増加の内訳は地域ごとに濃度が異なる.非OECD諸国では,中国を中心としたアジア大洋州の消費量の増加が著しい.OECD諸国の石油消費量は二度のオイルショックに起因する世界経済低迷に加え,原子力や天然ガスの代替エネルギーへの転換を受け,1980年代前半まで減少した.1980年代後半以降は経済成長とともに緩やかに増加したが,自動車の燃費改善や石油価格高騰を背景に2005年以降は減少傾向となった.2015年以降は原油価格下落に伴い増加傾向となったが,世界的な気候変動対策の高まりから再び減少傾向となり,2020年には新型コロナウイルスのパンデミックのために著明に消費量が落ち込んだ.
北米
中南米
ヨーロッパ
CIS
ソビエト連邦の崩壊は1991年12月25日ゴルバチョフの辞任による.その後の経済の低迷により,CIS諸国の石油消費量は減少した.ウラジミール・プーチンの大統領就任後ロシア経済は復活し,石油消費量も増加傾向にある.
中東
サウジアラビアは中東一の産油国であると同時に石油消費国でもある.サウジアラビアの経済は石油輸出に過度に依存しているとして,2015年国王に即位したムハンマド・ビン・サルマンはビジョン2030を掲げ,大改革を実施している最中である.
アフリカ
アジア大洋州
中国,シンガポールの石油消費量の増加が著しい.日本の石油消費量は高齢化により減少傾向にある.