QGISで基盤地図情報のラスタデータとベクタデータを重ねる

 現時点で何を目指しているのか自分でもはっきりした形が見えているわけではないが,とりあえず地図上に河川や湖沼などを描画したい.

ラスタデータは下絵,ベクタデータは地物を表現する

 と考えて良さそうだ.下絵なら下絵で割り切って XYZ tiles で OpenStreetMap や地理院地図を利用するという方法もある.ただ,センスは今ひとつである.

Ecoris で GeoTIFF ラスタデータを生成

 この記事を元に,基盤地図情報ダウンロードサービスからデータをダウンロードし,Ecoris で GeoTIFF に変換する.その際,ダウンロードして展開したファイルは一つのフォルダにまとめておく.

QGIS にレイヤとして追加

 QGIS にレイヤを追加する.

「レイヤ」「レイヤを追加」「ラスタレイヤを追加...」
「レイヤ」「レイヤを追加」「ラスタレイヤを追加…」

 座標参照系の選択では,平面直角座標系から世界測地系に変換されるようである.位置合わせなど厳密にしようとすると,この辺りにも拘る必要があるはずだが,今は作業を進めていく.

座標参照系CRSの変換
座標参照系CRSの変換

ベクタレイヤを追加するにはブラウザから

 下図のようにデータソースマネージャからベクタレイヤを追加しようとする.

「レイヤ」「レイヤを追加」「ベクタレイヤを追加...」
「レイヤ」「レイヤを追加」「ベクタレイヤを追加…」

 しかし,下図のようなエラーに見舞われる.

無効なデータソース:...は有効な,または認識されたデータソースではありません
無効なデータソース:…は有効な,または認識されたデータソースではありません

 この場合,ブラウザからデータを読み込んでいく.一つの GML ファイル内にラスタデータとベクタデータが混在しているらしく,コントロールキーで飛ばしながら選択していく.

ブラウザパネルからベクタデータを選択する
ブラウザパネルからベクタデータを選択する

レイヤのグループ化

 レイヤパネルに「グループ追加」ボタンがある.グループ化を使うとレイヤを階層化できる.今回は同じ地物をまとめるのに使う.

レイヤの「グループ追加」
レイヤの「グループ追加」
地物ごとにグループ化したレイヤ
地物ごとにグループ化したレイヤ

 同じ地物はグループ化すると表示のオン・オフがしやすくなる.

同じ地物をグループ化する
同じ地物をグループ化する

表示した水涯線は2次メッシュごとに配色が異なる

 表示した水涯線は 2 次メッシュごとに配色が異なっており,地図としては統一感に欠ける.これを何とかしたい.

表示した水涯線は2次メッシュごとに配色が異なる
表示した水涯線は2次メッシュごとに配色が異なる

まず,最初の地物のスタイルを設定する

「スタイル」「シンボルの編集…」

 複数の地物の色を設定するには,最初に一つの地物のスタイルからシンボルを編集し,そのシンボルのスタイルを残りの地物にコピペする,という方法を取る.複数の地物のスタイルをまとめて設定することはできない.

 下図のように,一つの地物を示すファイルを選択して右クリックする.メニューの下から2番めに「スタイル」があるのでメニューの階層をたどり,「シンボルの編集…」に至る.

右クリックして「スタイル」「シンボルの編集...」
右クリックして「スタイル」「シンボルの編集…」

シンボルセレクタの「色」を押下し「色の選択…」

 シンボルセレクタが開く.中程の「色」右側の三角を押下し,ユーザーインターフェースより下に「色の選択…」という項目があるので選択する.

シンボルセレクタの「色」を押下し「色の選択...」
シンボルセレクタの「色」を押下し「色の選択…」

「色の選択」ダイアログでRGBを指定する

 「色の選択」ダイアログが開く.ユーザーインターフェースで直感的に指定することもできるが,ここでは数値で指定することをお勧めする.

 EXCEL VBA から見たオブジェクトテーマカラーと RGB の変換で例示したように,Microsoft Office オブジェクトテーマカラーの「青,アクセント5」を示す RGB (91, 155, 213) を採用することにする.

 OK をクリックしてダイアログを抜けると地物のスタイル設定が終わる.

「色の選択」ではRGBで指定することもHSVで指定することも可能
「色の選択」ではRGBで指定することもHSVで指定することも可能

今設定したスタイルを残りのファイルのスタイルにコピペ

 さて,今度は今設定した地物のスタイルをコピーする.右クリックして「スタイル」「スタイルのコピー」「シンボロジ」と進む.

右クリックして「スタイル」「スタイルのコピー」「シンボロジ」
右クリックして「スタイル」「スタイルのコピー」「シンボロジ」

 今度は Shift キーを使って残りの地物をすべて選択し,右クリックして「スタイルの貼り付け」である.

右クリックして「スタイルの貼り付け」
右クリックして「スタイルの貼り付け」

 結果はこうなる.背景のラスタ画像は未加工のため,黒く見える.グループ内の地物,ここでは水涯線だが,は全て同じ色になった.

 水涯線は LineString オブジェクトである.Polygon オブジェクトだとどうなるだろうか.塗りつぶしと枠線とがありそうだと想像がつく.次は WA (Water Area) 地物についてスタイルを指定してみよう.

グループ内の地物(ここでは水涯線)がすべて同じ色になった
グループ内の地物(ここでは水涯線)がすべて同じ色になった

レイヤプロパティ-シンボロジの「塗りつぶし色」と「ストローク色」

 最初に断っておくが,LineString オブジェクトのスタイルを Polygon オブジェクトのスタイルにコピペすることはできない.オブジェクトが違う,と怒られる.

 地物を右クリックして「プロパティ」から「シンボロジ」を選ぶことでも同じ機能に至ることができる.

 下図のように「レイヤプロパティ-シンボロジ」ダイアログでは,すでに「塗りつぶし色」は変更済みであるが,「ストローク色」が未変更である.

「レイヤプロパティ-シンボロジ」ダイアログ
「レイヤプロパティ-シンボロジ」ダイアログ

 「ストローク色」を変更するのもコピペで可能である.「塗りつぶし色」右側の三角形を押下すると下図のように「色をコピー」できる.

「色をコピー」
「色をコピー」

 「ストローク色」右側の三角形を押下して「色を貼り付け」する.

「色を貼り付け」
「色を貼り付け」

 WL および WA のスタイルを設定した結果である.河川・湖沼を含めた水系が青色で統一できた.背景のラスタ画像は以前の記事で紹介したものである.

WLおよびWAのスタイルを設定した結果
WLおよびWAのスタイルを設定した結果

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