国土地理院の基盤地図情報はあらゆる日本地図の基礎となっている.ダウンロードしたファイル名に一定の規則があり,何を示したものか調べた.
ファイル名の命名規則
詳細は2014/07/31以降提供の基盤地図情報データのファイル名についてにあるが,ファイル名には命名規則がある.
FG-GML で始まり,6 桁の数値が続く.これはメッシュ番号を示す.続く英語の大文字と小文字の組み合わせが提供クラス名である.さらに 8 桁の数値が続くが,これは作成日である.最後の 4 桁の数値はファイルの連番である.
標準地域メッシュコード
メッシュ番号,と略記したが,正式には標準地域メッシュコードという.おおまかには 3 段階あり,粗い方からいわゆる 1 次メッシュ,2 次メッシュ,3 次メッシュという.日本全体を格子状に区切った単位である.
国土地理院,国土交通省,総務省など国の機関がそれぞれ定義を記載しているが,1 次メッシュは緯度 40 分経度 1 度,2 次メッシュは緯度 5 分経度 7 分 30 秒,3 次メッシュは緯度 30 秒経度 45 秒と,緯度と経度が基準になっている.割り算してみるとわかるが,2 次メッシュは 1 次メッシュを縦横それぞれ 8 等分して 64 分割しており,3 次メッシュは 2 次メッシュを縦横それぞれ 10 等分して 100 分割している.
メートル法に換算すると 1 次メッシュはだいたい 80 km 四方,2 次メッシュはだいたい 10 km 四方,3 次メッシュはだいたい 1 km 四方となる.
なぜメートル法で記載しないのか?
いい質問だ.メートル法で表記するということは,平面の地図を想定しているのだろう.よく考えてほしいのだが,実際には我々は地球という球面上に存在するために,正確には地理座標系を経度と緯度で記述する必要がある.以前なら測量で計測していたが,現在は人工衛星を用いたものである.だが,限られた範囲なら平面に投影して表現しても問題ない,というのが地理座標系から平面直角座標系への変換の際の暗黙のお約束である.そういう理由で,低緯度の地域と高緯度の地域では同じ緯度差であっても,誤差が大きくなる.
コード体系
コードの桁数は 1 次メッシュが 4 桁,2 次メッシュが 6 桁,3 次メッシュが 8 桁である.
2 次メッシュの最初 4 桁は 1 次メッシュと共通で,残り 2 桁 (00-63) で 64 個を識別する.
3 次メッシュの最初 6 桁は 2 次メッシュのそれと共通で,残りの 2 桁 (00-99) で 100 個を識別する.
FG-GML に続く数値が何桁あるかでどのメッシュ単位でファイルが作成されているかわかる.
提供クラス名
提供クラス名のリストは『基盤地図情報ダウンロードデータファイル仕様書(第4.1版)』の最後のテーブル,『表4-3 XML文書におけるタグ名の割り当て』にある.
ベクタデータにはない提供クラスもある.
クラス名 | Class Name | タグ名 | オブジェクト |
---|---|---|---|
行政区画 | Administrative Area | AdmArea | Polygon |
行政区画界線 | Administrative Boundary | AdmBdry | LineString |
行政区画代表点 | Representative point of Administrative Area | AdmPt | Point |
建築物 | Building Area | BldA | Polygon |
建築物の外周線 | Building Outline | BldL | LineString |
等高線 | Contour | Cntr | LineString |
町字界線 | Community Boundary | CommBdry | LineString |
町字の代表点 | Representative Point of Community Area | CommPt | Point |
海岸線 | Coastline | Cstline | LineString |
DEM区画 | DEM Area | DEM | |
DEM構成点 | DEM Point | DEMPt | |
DGHM区画 | DGHM Area | DGHM | |
DGHM構成点 | DGHM Point | DGHMPt | |
標高点 | Elevation Point | ElevPt | Point |
基盤地図情報地物 | FGD Feature | FGDFeature | |
測量の基準点 | Geodetic Control Point | GCP | Point |
河川堤防表肩法線 | Riverside Edge of Levee Crown | LeveeEdge | |
軌道の中心線 | Railroad Track Centerline | RailCL | LineString |
道路域 | Road Area | RdArea | |
道路域分割線 | Road Area Split Line | RdASL | |
道路構成線 | Road Component | RdCompt | LineString |
道路縁 | Road Edge | RdEdg | LineString |
道路区域界線 | Road Management Boundary | RdMgtBdry | |
道路区分面 | Road Segment Area | RdSgmtA | |
河川区域界線 | River Management Boundary | RvrMgtBdry | |
街区の代表点 | Representative Point of Street Block Area | SBAPt | Point |
街区域 | Street Block Area | SBArea | Polygon |
街区線 | Street Block Boundary | SBBdry | LineString |
水域 | Water Area | WA | Polygon |
水涯線 | Water Line | WL | LineString |
水部構造物面 | Waterside Structure Area | WStrA | Polygon |
水部構造物線 | Waterside Structure Line | WStrL | LineString |