第 6 章 空間データをインポートする (Beginning Spatial with SQL Server 2008)

 多くの空間アプリケーションがカスタム定義の空間機能を組み合わせている.例えば顧客セットの局在と,広く受け入れられた表現の空間データ,地球上の汎用性のある特徴,例えば国や州の境界線,世界の主要都市の局在および主要な道路や鉄道の経路などである.この情報は自分自身で作成するよりも,多くの代替可能な資源が存在しており,そこから普通に使うための空間データを取得して空間アプリケーションに搭載できる.

 本章では,そこから一般公開された空間情報を取得できる資源,そこでそのデータが普通に提供されるフォーマットおよびその情報を SQL Server にインポートするのに使える技術を紹介しよう.

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日本の市区町村の時系列の人口順位をEXCELの散布図に描く

 読者がどの街に住んでいるか,俺は知らない.だが,将来読者の住む街の運命はほぼ確信を持って予言できる.今後しばらく繁栄が続くか,それとも衰退していくのかは,人口から予測できる.今日の記事ではその予測をデータを基に示す.後半は技術的な話題となる.

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小学校の夏休みの宿題,ポスターを攻略する

 自分が小学校の夏休みに何を提出したか,自由研究か何かあったはずだが覚えていない.国語,算数,理科,社会のテキスト問題は学校でもらうなりすぐに解いてしまったのを覚えている.上の子供は誰に言われた訳でもなく,夏休みの宿題はさっさと済ませてしまう.

 親の立場になり,子供が小学校に上がったのをきっかけに毎年の夏休みが楽しくなった.きっかけは子供が 2 年生のときに描いたポスターが偶然にも県の審査にまで行ったことだった.

 正直なところ,あまりポスターには最初興味がなかった.しかし,県のポスター展示を見て考えが変わった.これは,挑戦しがいのあるテーマだ.

 県レベルになると展示されるポスターのレベルが格段に上がり,大人をもうならせる程の作品と呼べるものが出てくる.

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東への旅

 一族は旅を続けていた.男の数は 30 名あまり,女は少なく 10 名程度,子供は 20 名ほどだった.この数年来,一族の数は少しずつ減っていた.長旅の途中に病で命を落とすものが多かった.

 5 年前,彼らはもっと大きな群れの一員だった.彼らははるか西の大きな平原で暮らしていた.長く続いた冬は何十年も前に終わりを告げ,空気は少しずつ暖かくなっていた.緑の草が生い茂るようになり,樹木が伸びてきていた.彼らは草を食べる獣を狩り,木の実やキノコを集めて食べていた.

 彼らは子を産み育て,一族は数を増やしていった.しかし,増えすぎた人口は周辺の資源では賄いきれなくなってきた.人口は 300 名を超えていた.彼らは増え続ける人口を養うためにさらに遠くまで狩りに出かけ,また薪のためにさらに遠くの森へ行き,木を伐採しなければならなかった.

 やがて,遠くまで出かける労力も追いつかなくなった.一族の内部では資源をめぐって深刻な対立が起きるようになった.一族は二つの派閥に分かれた.抗争は時に殺し合いにまで発展し,もはや分裂は時間の問題だった.

 一方の派閥がこの地を離れることを決意した.その数,100 名あまり.若い男女が多かった.比較的年長の男女はこの地に留まることを望んだ.若い男女が多くの子供を連れて立ち去る結果となった.

 旅立ちの前夜,広場で宴が催された.肉と酒と果実が振る舞われた.若者たちは焚き火の周りで踊り,年長者たちは静かに語り合い,子どもたちははしゃいでいた.踊りのさなか,数組の男女が手をつないで各々の天幕に入っていく.火が消える頃には広場から人影は消え,イヌたちが残飯をあさっていた.夜空には色とりどりの光の柱が立ち現れていた.その夜の光は格別に華やかだった.

 翌朝,彼らは東に立ち去った.立ち去る群れに子供を託す母親もいた.望んで親元から立ち去る子供もいた.この地ではもう生きていけないと皆が分かっていた.残された子供は口減らしのために殺される運命にあった.そして彼らが生きて出会うことは二度となかった.

 旅路は時に過酷だった.祖先から伝え聞いた話では,太陽の昇る方向に海を渡る狭い回廊があり,その先には大きな陸地があるとのことだった.彼らは半年かかって海に到達し,北へ向かった.丘をいくつか越えた先に回廊はあった.彼らは回廊を東に進んだ.回廊は時に海に阻まれた.彼らは筏を作り,海を渡った.海を渡るさなか嵐に遭い,沈んだ筏もあった.

 かつて住んでいた平原にいた大型の獣はもはやおらず,波打ち際で採れる貝が貴重な食料だった.時に岩場に群れで生息する獣は,格好の獲物だった.そのような狩場を見つけると,彼らはしばらくそこに滞在した.そして獲物を狩り尽くして食料がなくなると,彼らは再び東進を始めた.

 さらに数年が過ぎた.旅立ちの日に子供だった者のうち,半数が死んだ.生き残った子供は成長し,子供を産んだ.誰が父親になるかをめぐって対立や駆け引きもあったが,父親になれたのは狩りの上手な男だった.女が男を選んだ結果,そうなった.この時代には強い男が子供を作るのが当然とされていた.

 ある朝,見張りの若者が水平線に陸地が見えると叫んだ.群れのリーダーはすぐさま立ち上がり,丘の上に向かった.回廊の彼方,水平線にかすかに他とは違う色が見える.彼は記憶の中からこれまでの情景を思い出していた.これまでにも水平線に陸地が見えたことはあった.だが,それは水平線の上に揺らぐ幻だった.時間が経つと幻は消えてしまい,いっときの興奮は落胆に終わった.

 今回も幻ではないのか?まず疑った.しかしいつもの幻なら揺らいでいるはずだ.今日のはそれほど揺らいでいるようには見えない.もしかすると…

 群れは興奮に沸き返った.故郷を捨て,多くの犠牲を払って旅立った彼らの労苦が報われる時が来た.いつまで続くか分からなかった長い旅路は,ようやく終わりを告げようとしていた.