熱中症搬送人員数に都道府県人口をオフセット項として追加し一般化線形回帰分析を行う

 以前の記事ではポアソン回帰モデルおよび負の二項分布モデルを用いて熱中症搬送人員数に対する日最高気温と平均水蒸気圧の回帰係数を推定した.

 人口10万人あたり何名の罹患者数,というのは割り算値である.総務省消防庁の公開している熱中症搬送人員数は都道府県ごとの搬送数であり,もともと都道府県別人口が異なるのだから搬送人員数を都道府県人口で割った割合のほうが指標として適切なのではないか,という指摘は一理ある.

 しかし,割り算値ではなく実数を解析すべきである.変形した観測値を統計モデルの応答変数にするのは不必要であるばかりか,誤った結果を導きかねないからである.割り算値からは確からしさの情報が失われること,変換された値の分布が不明であることから,割り算値は避けるべきである.その代わりに割り算の分母をオフセット項として線形予測子に組み込む手法がある.

 熱中症搬送人員数はカウントデータであり,その期待値は集計ゾーンの集計対象人口に依存する.都道府県人口をオフセット項とすることで,都道府県の人口規模の影響を調整した回帰分析ができる.今回は都道府県人口をオフセット項として線形予測子に組み込み,一般化線形回帰分析を行ってみた.

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日平均蒸気圧と熱中症の重症度別搬送人員との関連を調べる

死亡の日別平均水蒸気圧のROC

 日別平均水蒸気圧と熱中症搬送人員との相関を可視化するでは平均水蒸気圧と熱中症搬送人員との相関関係を示した.今回は日平均蒸気圧と熱中症の重症度別の搬送人員との関連を調べ,日平均蒸気圧の閾値及びその感度と特異度を求める.

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熱中症の搬送人員と最高気温との相関関係を可視化し閾値をχ二乗検定する

日最高気温と搬送人員

 最高気温と熱中症の搬送人数との間に相関関係はあるだろうか.熱中症で救急搬送された人数は総務省の消防庁のサイトにある.これと気象庁のデータを結合してみた.

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