Interstellar を観た.一言で言うと,『上質のSF』である.
滅亡に瀕した地球を救うため,土星軌道に出現したワームホールを抜けて外銀河に旅立つ宇宙飛行士の物語,と書いてしまえばつまらない.先に旅立った 12 名の宇宙飛行士のうち,生存可能性のあるのは 3 名.その 3 名のうち,誰を最初に救出するか.時間と,物資は有限である.クルーの協議にも葛藤がにじみ出ている.
最初に着陸した星でクルーの 1 名を失う.地球時間での 23 年を費やし,軌道に戻った彼らは次の星に向かう.星間通信の場面で成長した娘の姿に主人公が咽び泣くシーンは印象的だ.
2 番目の星で冷凍カプセルから蘇生した科学者の裏切りにも強い説得力があり,極限状況に置かれた人がどんな行動に出るか,あらかじめ想定しておかなくてはならないと感じた.2 番目の星でまた 1 名のクルーを失う.裏切った科学者もまた宇宙の藻屑と消える.