国土数値情報の洪水浸水想定区域が令和5年度版に更新された

令和5年度版の洪水浸水想定区域

 この記事が公開される頃には梅雨真っ盛りであり,各地で洪水の被害が報道されていることと思う.いささか遅きに失した感もあるが,令和5年度版の洪水浸水想定区域が5月31日に発表されたため,記事にした.とりあえず茨城県版のデータをQGISに取り込み,浸水深ランクコードごとに塗り分けた.各自治台の担当に置かれては洪水ハザードマップの更新に忙しい時期と思われ,参考にされたい.

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国土数値情報の洪水浸水想定区域データをQGISで表現する

 温暖化に伴い洪水被害が増加しつつある.各自治体のハザードマップの重要性が増しているところであるが,今回は国土数値情報ダウンロードサイトから洪水浸水想定区域のデータをダウンロードし,QGISで表現してみた.

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特定の地点から16km以内の距離にあるサービス付き高齢者住宅をQGISで表現する

保健所から16km圏内のサービス付き高齢者住宅

 今回は保健所から16km圏内にあるサービス付き高齢者住宅を抽出し,QGISで表現したい.基準となる地点は何でも良い.国土数値情報ダウンロードサイトにあるデータをダウンロードし,QGISで読み込む形である.

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国土数値情報ダウンロードサイトから医療機関データをダウンロードし,救急告示病院をQGISで表現する

茨城県内の救急告示病院が表示される

 国土数値情報ダウンロードサイトには様々なデータが蓄積されている.医療機関の位置データもその一つである.今回は茨城県の救急告示病院をQGISで表現することにした.

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既存住宅の断熱化が健康格差に及ぼす影響:地域社会におけるクラスター無作為化研究

 前回の投稿(心血管系または呼吸器系の入院歴のある高齢コホートメンバーの死亡リスクに及ぼす断熱改修および暖房の影響)では循環器系疾患および呼吸器系疾患による死亡率が断熱介入により減少することをみた.今回は断熱改修の費用対効果の経済的側面に焦点を当てる.

 原著はここから読める.健康上の利益とエネルギー上の利益は,コストを2倍近く上回る,というのが本著の趣旨である.日本においてもこのようなエビデンスに基づく政策が実行されてほしい.

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心血管系または呼吸器系の入院歴のある高齢コホートメンバーの死亡リスクに及ぼす断熱改修および暖房の影響

 昨年は英国の論文を取り扱った.今回は住宅断熱という介入が死亡というアウトカムにどのような影響を及ぼすかを調査した論文を紹介する.

 ニュージーランドは日本とほぼ同じ温帯区分に属し,南半球にある島国である.住宅の3分の1は全く断熱されていない.日本の住宅は9割が断熱されていないとされる.どの国も貧困層の住宅事情が厳しいことは共通している.ニュージーランドではそれらの住宅に断熱改修を施し,死亡率が減少するかをみた.

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自宅での感染隔離対策

 先日筆者は新型コロナウイルスに感染した.その際,自宅での感染隔離対策が読者にとって何か示唆する所があればと思い記事にすることにした.

 この記事がすべての住宅に当てはまるわけではない.住宅の構造に帰するところが大きい点もある.家族構成によっては当てはまらない点もある.それを踏まえて読んでほしい.

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二乗平均平方根誤差で回帰モデルの当てはまりを検討する

 二乗平均平方根誤差とは英語では Root Mean Squared Error (RMSE) と書く.真値と予測値との乖離(誤差)を二乗し,その平均値をとり,その平方根を求めた値のことである.非負の値を取り,0に近いほど優れたモデルであることを示唆する.

 今回使用するのはe-Statからの社会疫学的指標を加えて熱中症搬送人員数を分析するで使用したデータベースである.先の記事では回帰モデルを評価する指標が必要との認識であった.

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社会疫学的指標を考慮した都道府県別の熱中症搬送人員数の予測と実際

 都道府県別の熱中症搬送人員数の予測と実際をEXCELの組み合わせグラフで描くでは独立変数として日最高気温,日平均水蒸気圧,65歳以上人口,人口密度を投入し都道府県別の熱中症搬送人員数を予測した.以前の記事ではe-Statからの社会疫学的指標を加えて熱中症搬送人員数を分析した.社会疫学的指標としては日最高気温,日平均水蒸気圧,都道府県人口に加えて過去30日間の平均気温,エアコン保有台数,年間収入のジニ係数,光熱・水道費,実収入,第1次産業就業者比率,第2次産業就業者比率,都市公園数,都市緑化割合,自然公園割合,自然公園数,生活保護被保護人員である.

 今回は社会疫学的指標を独立変数として加えた熱中症搬送人員数の予測と実際を示す.

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